2024年12月25日(水)

今日はクリスマス当日。朝は子どもたちの歓声で目が覚めた。ツリーの下に並べられたプレゼントを見つけて、萌も翼も大興奮。萌はサンタさんから届いた新しいピアノの楽譜を早速広げて弾いてみせ、翼は新しいクレヨンしんちゃんのおもちゃを握りしめて遊んでいた。その様子に、昨夜の遅い帰宅を責められた記憶も少し和らいだ気がする。

そんな朝のひとときを過ごした後、仕事に向かった。クリスマスの日だからといって休みになるわけでもなく、むしろ年末に向けて案件が立て込んでいる。今年最後の営業日も近づいており、社内はいつも以上に忙しい。特に最近、会社の将来を左右する大きな議論が持ち上がっており、それが社内に緊張感をもたらしている。

議題は、会社が大手フランチャイズに加盟するかどうかということ。原社長は加盟に積極的で、これが会社の成長に必要な一歩だと主張している。一方で、会長はその考えに真っ向から反対している。会長の言い分は、フランチャイズ加盟によって会社の独自性が失われ、社員たちが会社への愛着を失うリスクがあるというものだ。どちらの意見にも一理あり、簡単に結論が出せる話ではない。

今日も昼過ぎから、その件に関する会議が開かれた。社長派と会長派の間で意見がぶつかり合い、議論はヒートアップ。普段温厚な先輩社員までもが声を荒げる場面があり、社内の空気が険悪になるのを肌で感じた。このままでは会社全体が二つに割れてしまうのではないかと心配になった。

僕個人としては、フランチャイズに加盟することのメリットは理解しているが、会長の危惧する点も見過ごせないと思っている。特に、社員同士の絆が薄れてしまうような状況だけは避けたい。これまで鬼平不動産はアットホームな雰囲気が魅力だった。それが失われれば、どれほど利益が上がっても長続きしないのではないかと思う。

会議の後、同僚と少し話をした。彼も同じような不安を抱えているようだった。「俺たちの意見なんて、上層部に届くのかな」と言われたとき、正直答えに詰まった。僕たち現場の意見が反映されることを願いながらも、最終的な決定は上層部次第だ。

仕事が終わって帰宅すると、景がクリスマスのディナーの残りを温めて待っていてくれた。子どもたちは昼間たくさん遊んだせいか、すでに寝ていた。景に今日の社内の様子を少し話すと、「家族がバラバラになると辛いように、会社も同じだね」と静かに言われた。その一言が妙に胸に響いた。

このままではいけない。どちらの案が採用されるにせよ、社員同士の分断を防ぐために、現場でできることを考えていかなければならない。そんなことを思いながら、少し重い気持ちで床についた。