
2024年12月26日(木)
クリスマスが過ぎると街の雰囲気も少しずつ日常に戻っていく。今日も仕事で忙しい一日だったが、ふとした瞬間に妻と出会った日のことを思い出すことがあった。
景と初めて出会ったのは、今から20年ほど前。大学時代の友人が開いてくれた飲み会でのことだった。当時はまだクリスマスの余韻が残る時期で、街中にはイルミネーションが輝いていた。友人が「趣味が合いそうな人がいるから紹介したい」と言って連れてきたのが景だった。
その日は、お互い少し緊張していたのを覚えている。僕が趣味の釣りの話をし始めたとき、景が「実は私も釣りが好きなんです」と目を輝かせて話してくれた。その時の彼女の笑顔が忘れられない。話していくうちに、カヤックやアウトドアにも興味があることがわかり、どんどん会話が弾んだ。飲み会が終わった後も、二人で話し足りなくてそのまま近くのカフェで夜遅くまで話し込んだ。
景と出会った時期がクリスマス直後だったこともあり、僕たちは今でも「あれは季節外れのロマンスだったね」と笑いながら話すことがある。実際、クリスマスが終わった後の少し落ち着いた雰囲気の中での出会いは、特別な思い出になっている。普段は「運命」とか「偶然」といった言葉を使うことはないけれど、あの日だけは本当にそう感じた。
それから数年の付き合いを経て結婚し、今では二人の子どもにも恵まれた。当時の僕たちが想像もしなかったような忙しい日々を送っているけれど、たまに二人で昔の話をする時間は特別だ。

今夜、仕事を終えて家に帰ると、景がリビングで本を読んでいた。「おかえり」と微笑む彼女を見て、なんだかあの日の笑顔と重なるような気がした。「何かいいことあったの?」と聞かれたけれど、「いや、ちょっと懐かしいことを思い出してた」とだけ答えた。
この年末の忙しい時期に、妻との出会いを思い出すのも悪くない。初心を忘れずに、また新しい一年を迎えたいと思った一日だった。